2023/11/15 23:13


 4月に入り和気閑谷高校での「閑谷學」も後半戦のスタートとなりましたが、昨年同様、担当の先生の転任に加え、こちらも恒例の登り窯の窯焚きがあり、2023年度の授業への初参加は、5月19日(金)に。ずいぶんと久しぶりでしたが、しっかりと計画を立ててくれていたこともあり、あとは実行していくのみのところまで来ていました。


 6月に入ると嬉しいお知らせが。(彼らにとっては嬉しくないかもしれませんが…)我が「備前焼ゼミ」が、7月に行われる校内プレゼン大会の学年代表に選ばれたのです!ここからは、それぞれのグループで発表の準備も行っていくことになりました。担当の先生に話を聞くと、面白い取り組みをやりそうだと、職員室も盛り上がり、期待値も高いそう。それゆえの選出だったそうです。


 そして、6月30日(金)には、「SNSで世界への発信」グループの発信をいっそのことメタバースでしたらどうだろうかと、「岡山メタバース博」を主催された川﨑建設の川崎 龍也さんをお迎えし、メタバースについてのお話とゴーグルを着けての体験会を実施しました。生徒たちも、先生方も、伝統工芸の備前焼をテーマにして、まさかの最先端、メタバースが登場となり、なかなかの盛り上がりに。
 また、学年を代表しての発表も間近となり、全体を通しての発表練習も行いました。この日は大変盛りだくさんな『閑谷學』。生徒たちも頑張ってくれました。


 その後、発表がどうなったのかを聞く間もなく夏休みへ突入。『閑谷學』の授業もしばらくないということで、時間だけが過ぎていきました…。ただ、どのチームもやらないといけないことはいくつもある訳で…。(※写真は「新商品の開発」グループのサンプルと設計図)


 スケジュールを確認したところ、どう考えても間に合わないということで、9月7日(木)の放課後にみんなで集まって作業をしました。「新商品の開発」グループは、若い人にも受け入れてもらいやすい備前焼を開発しようと、過去の閑谷學で先輩方が研究した内容を引き継いで、うつわの色付けに挑みました。彩色をしない備前焼だからこそ、面白いことが起きるのではないかと。素材は、頭島のオリーブ。剪定した枝や葉を灰にしたものを利用しました。


 そして完成した作品がこちら。デザインを考えてくれた10種類のうちの1作品ですが、かなり厚めに泥を塗ったことで、収縮率の違いから独特の模様になっています。面白い感じに仕上がりましたが、再現するのが大変そう…。
 作品は、9月30日(土)開催の文化祭「楷楓祭」で発表となりましたが、見てくれた方の感想がどんなものだったのか、気になるところではあります。


 また、9月11日(月)には、備前焼を子どもたちにも身近なものに感じてもらおうと、「子どもたちとのワークショップ」グループの生徒2名(本当は3名なのですが1名は体調不良で欠席。実に残念。)が講師になって、和気町立本荘小学校で出前授業を行いました。このグループは、先輩たちの「子どもたちにも備前焼の魅力を伝えるような取り組みをしてほしい!」という思いを引き継いで、今回の計画を練ってくれました。


 授業は、備前焼についてスライドで紹介した後に作業へ。前半は、小皿に転写シールを貼り付けて装飾を行う「備前焼ポーセラーツ」を、やり方を示しながら、子どもたちと一緒に作業を進めていきました。みんな丁寧に貼り付けてくれたので、とても綺麗な仕上がりになっています。


 後半は、手びねりで思い思いの作品を制作してもらいました。中には経験者もおり、初めての子にアドバイスをするなど頼もしい子も。この時制作してもらった作品は、ガス窯で焼成した後、和気高の文化祭「楷楓祭」で展示をしました。「新商品の開発」グループの作品とともに来場者のみなさんを楽しませてくれたことと思います。


 そして、もうひとつの「SNSで世界へ発信」グループはというと…。メタバースは技術的な面で断念となり、SNSでの発信も諸事情により実施不可に…。何とか形にということで、備前焼を紹介するポスターを作成し、文化祭で披露したとのことです。当日に伺うことができればよかったのですが、都合がつかず本当に残念でした。


 肝心の成果発表を見ることなく、なんとなくモヤモヤしたまま終えることになってしまったシーズン4。3つのグループでそれぞれが展開していくという初のパターンではありましたが、みんなよく頑張ってくれました。「備前焼ゼミ」の皆さん、ありがとうございました!



『閑谷學 ー総合的な探究の時間ー』過去の記事はこちらから。
2020     〜Season1〜
2020~2021 〜Season2〜
2021~2022 〜Season3〜〈前編後編
2022~2023 ~Season4~〈前編後編



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