2023/11/15 22:48


 岡山県立和気閑谷高等学校で、自ら学び、自ら考える姿勢と、問題を解決していく力を身につけることを目標に、「閑谷学校」の学びの精神を引き継ぎ、地域との関わりを重視しながら実施されている地域総合学習の時間『閑谷學(しずたにがく)』。
 2020年の5月より講師として伺うようになり、備前焼をテーマに行ってきたゼミも4シーズン目を迎えることになりました。
 新メンバーの1年生11名との初顔合わせは、1年以上前になりますが、2022年の10月21日(金)。初回は導入ということで、先輩からの引き継ぎや、次回のフィールドワークで何をするのかなど、かなり盛りだくさんの内容を話し合いました。


 「備前焼ゼミ」ということなので、まずは作ってみようと、翌週は、教室を飛び出して宝山窯へ。ギャラリー、工房、窯場で一通りの説明と質問タイムを終えた後は、手びねりと電動ろくろで、思い思いの作品を制作してもらいました。こういった経験を通して、備前焼界をアッと言わせるような、面白いアイデアが出てきて欲しいと期待しながら、「閑谷學」はスタートとなります。


 その後、授業は進み、11月25日(金)には、3グループに分かれたメンバーから、活動の提案をしてもらい、「備前焼をSNSで世界に発信したい」というグループには、ハッシュタグの研究について、「若い人向けの備前焼を作って販売したい」というグループには、ニーズの調査について、「子どもたちに備前焼の制作を通して魅力を伝えたい」というグループには、子どもたちでも参加しやすいワークショップの形態についてアドバイスをさせていただきました。
 実現可能かどうかの話もありましたが、基本的にできないことはないよ、とも。どのグループにも、備前焼のどうこうに合わせるのではなく、高校生のみんなだからこそできる内容にしてくださいね、と強く伝えておきました。


 12月に入ってからは、それぞれのやりたいことと自分にできることをすり合わせながらプランを作成。12月20日(火)に実施するフィールドワークに向けて、何をするのか、また何をすべきなのか、グループで計画も練っていきました。


 そして、迎えた12月20日(火)のフィールドワークは、備前陶芸センターへ。「SNSで世界へ発信」グループは、施設内のさまざまな場所を撮影し、英語が堪能な研修生も在籍しているということで、篠崎 英人さん(写真左)と、ミッチェル 海さん(写真右)に備前焼について英語で紹介もしてもらいました。


 「新商品の開発」グループは、世界でハマる備前焼を!ということで、シンガポールを拠点に、備前焼を世界に向けて発信する事業を展開中の今井 太一朗さんにオンラインでインタビュー。今後の方向性を探りました。どうなることか心配ではありましたが、早速、何を作るのか次の時に話をしよう!とメンバーで盛り上がっていたので何よりでした。


 「子どもたちとのワークショップ」グループは、自分たちも子どもたちに教えたいという話になったので、焼成済みのうつわに転写紙を貼り付けて模様を焼き付けるポーセラーツ的な内容をお試しでやってみました。作業も楽しくでき、なかなかの手応えを感じてくれたようです。 
 何はともあれ、それぞれのグループ、今回のフィールドワークでは良い活動ができ、たいへん有意義な一日となりました。


 年が明けて2023年1月20日(金)。角窯の窯出しが終わったこともあり、10月に備前焼ゼミの皆さんが作ってくれた作品を届けてきました。かなり喜んでくれて、嬉しい限りなのですが、作品に気を取られて、肝心の作業が進んだのか、否か…。このシーズンで一番盛り上がった授業。こういう現場を見ていると、備前焼の秘めている力はすごいなーと、つくづく感じました。


 それからしばらく時間があいて、次に授業へお邪魔したのは3月3日(金)。ここまで来ると3グループ、それぞれのやりたいことが明確になっていて、やるべきことも見えてきました。そして、翌々週には、そのうちの2グループがフィールドワークで再び宝山窯へやって来てくれることとなり…。


 予定通り、3月16日(木)には、備前焼ゼミ3グループのうち、「新商品の開発」グループと「SNSで世界へ発信」グループが和気閑谷高校から宝山窯へやって来てくれました。当初は、新商品開発のメンバーが試作品を制作し、その様子をSNSグループが撮影・取材する予定でしたが、せっかくなので、みんなで作ろう!ということになりました。電動ろくろを使った制作は、難しいことを言わずとも盛り上がります。備前焼への入り口。一つは間違いなくここだろうと思いつつ…。

 そんなこんなで、2022年度の『閑谷學』は終了。続きは、みんなが2年生になってからとなります。




『閑谷學 ー総合的な探究の時間ー』過去の記事はこちらから。



オンラインンショップ「hozangama lab.+」

Facebook「備前焼窯元宝山窯 Bizen Pottery Hozangama」