2023/12/02 16:50


 岡山を拠点にキッチンカーで移動・出張カフェを行なっている『Sprout Coffee』さん。備前焼を随所に使用することで、その素晴らしさを広めながら、岡山県内を中心に「備前焼×食」をテーマにした活動を展開してくださっています!(写真:2023年5月、宝山窯にて)


 出会いは、2020年。知人(写真右)の紹介で、初めて新免さん(現・Sprout Coffee オーナー、写真中央)にお会いしたのですが、「コーヒーの出し殻で粘土を作って、そこからコーヒーカップにできないか?」というなかなかの話を持ってこられました。「とりあえずやってみましょう!」ということで、サンプルを作成し、この時の登り窯に入れてみた訳なのです。それを見学に来れられた際に、たまたまNHKさんの取材があり、きっちり映り込んでおられた訳で…。


 で、その時焼成したサンプルがこちら。(写真:「Sprout Coffee」さんより)いろいろと調合を変えてみましたが、カントリーマアムみたいにぺしゃんこになったり、珈琲感ゼロだったり…。「いいことになりませんね~」ということで、コーヒー粘土の挑戦は路線変更に。


 ちょうど同じタイミングで、岡山県立和気閑谷高校『閑谷學』の授業で行っていた備前焼の粘土と地域の素材を掛け合わせて行うカラーリングの研究を応用できないかとテストしたところ、コーヒーの出し殻は赤く発色することが判明し、この方法で進めてみることになりました。


 新免さんも何度も工房へお越しくださり、電動ろくろを駆使してさまざまな作品を手掛けられました。この時、制作したのはコーヒードリッパー&コーヒーカップ。もちろん、コーヒーの出し殻を使ったカラーリングを施しました。(写真:「Sprout Coffee」さんより)


 新免さんの制作された作品は、時折、備前焼のうつわなどに交じってキッチンカーに展示されていることがありますので、コーヒーを注文して待っている間に、是非、ご覧いただければと思います。(お目にかかれるかは運次第かも…。)


 そのキッチンカーですが、登場は2022年9月。当初、新免さんは、店舗を持つことを目標に準備を進めていらっしゃいましたが、当時は、コロナ禍の真っただ中ということもあり、計画はことのほか難航。最終的にはキッチンカーでの展開を決意されました。そこでの看板メニューが「甕出しアイスコーヒー」であり、独創的なアイデアが功を奏し、RSK山陽放送さんや山陽新聞さんにも取り上げられました。


 RSK山陽放送『イブニングニュース』


 山陽新聞 おかくらプラス版


 2023年2月には、岡山の伝統工芸品である備前焼の魅力をPRしたいと、備前焼や備前地域の特産を集めたマルシェを開催するためのクラウドファンディングを行い、見事に目標を達成!


 マルシェは、備前焼と食の祭典『備食マルシェ』と銘打ち、2023年4月2日(日)、岡山市にある「大家族の湯」さんの駐車場で開催されました。宝山窯も、備前焼の展示販売の他、電動ろくろや手びねりでの備前焼制作、備前焼陶片(カケラ)お絵描き、備前焼ポーセラーツといったさまざなまワークショップで、イベントを盛り上げました。


 その後も交流は続き、2023年5月3日(水)と4日(木)のゴールデンウィークの二日間には、登り窯の公開窯焚きを行っている宝山窯に出店いただき、おいしいコーヒーを振舞っていただきました。甕出しアイスコーヒーなのだからということで、大甕をテーブルに見立てた設えを、サプライズで準備。なかなかの盛り上がりを見せたことは言うまでもありません。


 「Sprout Coffee」さんの出店は、2023年10月14日(土)、15日(日)開催の「備前焼まつり」にも。お天気に恵まれたこともあり「甕出しアイスコーヒー」は連日の完売。お昼前後のピーク時には、キッチンカーの前に長蛇の列ができるなど、新免さんも大忙しでした。


 今後も、毎年ゴールデンウィークに行っている公開窯焚きや10月の備前焼まつりに宝山窯へお越しいただくだけではなく、宝山窯としても「Sprout Coffee」さんが企画されるイベントへの出店やコラボ作品の開発など、面白く楽しい展開を繰り広げていきたいと考えています。

 宝山窯はもちろんのこと、「Sprout Coffee」さんの活動にもご注目いただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします!



☆Sprout Coffeeさん関連作品のご紹介☆

 「Sprout Coffee」さんが使う『甕』の同モデルがこちら。焼酎サーバーからアイデアを得て、特別注文をいただきましたが、機能は全く変わらないので、言い方の違いのような気も…。


 こちらは、『甕出しアイスコーヒー』の仕込み用ボトル。「備前焼ボトルコーヒー」として登場することもありますが、ネルドリップで丁寧に淹れたコーヒーをこちらのボトルで1日寝かせるのが、主な活用法のようです。


 宝山窯で「甕出しアイスコーヒー」を飲まれる場合のみに登場するカップがこちら。小サイズのビアマグですが、アイスコーヒーにもしっかり対応しています。


 そして、ドリップ&サーバー。ブレンドコーヒーなどのホットコーヒーを注文すると登場します。サーバーが急須のような形だと面白いんじゃないか、ということで特別に制作しました。故に「急須でいれたような香りと旨み」のコーヒーを愉しむことができるはずです。


 ホットコーヒーはこちらで。宝山窯で召し上がる場合に登場します。備前焼とコーヒーの相性は抜群なので、急須形ドリッパーから注がれたコーヒーをおいしくいただくことができます。




オンラインショップ「hozangama lab.+」

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