2022/01/20 23:54


 備前市には、閑谷学校近世日本の教育遺産群ー学ぶ心・礼節の本源ー)と備前焼(きっと恋する六古窯ー日本生まれ日本育ちのやきもの産地ー)という2つの日本遺産があり、観光面においても地域を代表するコンテンツとなっています。


 また、史跡に併設する岡山県青少年教育センター閑谷学校では、宿泊室や食堂、浴室、プレイホール、などを兼ね備え、様々な研修プログラムを通じて、誰もが「学ぶ」ことのできる環境を提供しています。

  
 2018年と2019年に、備前焼とアートをテーマにしたイベント「Ceramic Art Bizen in Shizutani」を仲間とともに、盛大に開催し、史跡の有効活用や来場者の増加に向けて話し合う「旧閑谷学校活性化委員会」にも委員としてお声がけいただいていた中で、2020年10月、研修プログラムにある備前焼のコンテンツをより質の高いものにしたいというお話があり、担当者の方々とともに効果的な方法を模索していくこととなりました。


 2020年12月に開催された「SDGsをテーマとした教育旅行プログラム」のモニターツアーでは、スライドショーを活用したレクチャーや、「作るもの」を限定した作品制作など、時間内で確実に完了し、誰が講師を担当しても高い質を保つことのできる「新・備前焼プログラム」を提案させていただきました。


 その後も内容の調整を重ね、2021年からは実践へ。備前焼作家の藤原宏さんと共に挑んだ、新プログラム最初の学校は、倉敷市立真備東中学校(2月4日)でした。皆さん真剣に耳を傾けてくれ、思い思いの名品を生み出してくれました。以降も中学校や高校、子ども会などを対象にプログラムを実施していきました。


 高校生の最初は、クラーク記念国際高校 岡山キャンパス(3月10日)の皆さん。小学生、中学生、高校生、社会人と研修を受ける団体ごとにレクチャーの内容や制作する作品について変えていく必要があるので、その調整がなかなか難しいところとなります。この研修も手探りの連続となりましたが、少しずつ研修内容のイメージも見えてきました。


 教育センター主催の「閑谷春まつり」(3月15日)では、参加する子供たちの年齢層も幅広いことから、レクチャーはそこそこに、思い思いの作品制作に集中してもらえるよう時間配分を行いました。飛び込み参加もありましたが、研修とは異なる雰囲気と新たな可能性を感じることができました。


 3月27日には、和気町で活動されている備前焼作家 石野晃さんとともにプログラムを実施。広島市西区子ども会の子どもたちとの掛け合いも楽しく、あっという間の時間を過ごさせていただきました。


 水島地区子ども会(4月4日)の皆さん。以降は、毎年ゴールデンウィークに行っている登り窯の窯焚きのため、森 敏彰の出動はしばらくお休みとなり、研修プログラムは他のメンバーへお任せすることになりました。登り窯の窯出し後は、張り切って研修に復帰と行きたいところでしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により岡山県にも緊急事態宣言が発令され、研修センターは閉所という状況に陥ってしまいました…。そして多くの研修が中止や延期に…。しばらくの空白期間が生まれます。


 宣言も解除され、復帰第一弾となったのは、赤穂市立坂越中学校(7月7日)。空白期間に、今以上に学びのある、さらに面白い研修にしようと考え、この研修より、電動ろくろを活用したチャレンジタイムを新たに組み込むこととなりました。


 電動ろくろにチャレンジする時間は、奈義町立奈義中学校(10月4日)の皆さんにも大好評で、確実に実施するためにとサポートメンバーも増員しました。また、10月からは研修を延期にしていた学校の受け入れが多くなり、他の備前焼作家メンバーとも分担しながら、研修プログラムを実施していきました。


 岡山市立御津中学校(10月5日)。ここまで来るとレクチャーも安定し、進行もスムーズになってきます。参加する人数に合わせてサポートメンバーを招集し、予定したスケジュールに合わせた進行を行います。ここで備前焼プログラムのパッケージはほぼ完成といこうことになりましたが、安定してくると変えたくなる部分も出てくるもので…。


 旅行関係者の方々を対象に開催されたモニターツアー(12月10日)では、「旧閑谷学校で学ぶSDGs」がテーマということで、これは良い機会と早速スライドをいじって、「備前焼とSDGs」なる話もさせていただきました。


 そして進化系は「小学生バージョン」。難しい話を一方的にしても仕方ないだろうと、スライドを大幅にカスタマイズし、4択クイズを交えた参加型のプログラムを実施しました。電動ろくろチャレンジと合わせ、倉敷市立帯江小学校(12月17日)の皆さんには、備前焼をしっかりと学んでもらえたことと思います。


 備前焼の研修プログラムは、より「学び」のあるものとなるよう、現在も進化中です。日本遺産閑谷学校で、日本遺産の備前焼を学ぶ。機会があればぜひとも体験していただきたいと思います。ちなみにですが、国宝の講堂で行う「講堂学習」とのセットがおすすめです!



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