2025/01/05 12:24

 備前焼まつりが終わって二日後の10月22日(火)から24日(木)までの3日間。中国・曲陽県人民政府よりご招待いただき、河北省保定市曲陽県で開催された「中日陶磁器文化交流活動」に、日本からの代表団の一員として参加してまいりました。

 事の始まりは、7月10日(水)。備前市より「中国の視察団が見学に行きます!」との知らせを受け、ギャラリーや工房、窯場を案内。わずかな時間でしたが、電動ろくろでのデモンストレーションも披露させていただきました。その際にお見えになった曲陽県の陳江河書記よりいただいたのが、この招待状。最初は何のことやら分からなかったのですが…。

 9月になり、中国のことも忘れかけていたのですが、たまたま備前市役所に伺った時に「ちょうどいい時に来た!」と担当の方に呼ばれて詳細説明。ビザのことやら何やらで急ピッチに準備が進み…。10月22日(火)、関西国際空港から上海浦東国際空港に向けて出発となりました。

 上海浦東国際空港からの乗り継ぎは小型機…。しかも名前が“一二三航空”!“ひふみん航空”だと参加メンバーでも盛り上がりました。阿部一二三なら安定感もありそうですけどね。

 石家荘正定国際空港に到着。タラップの違う扉に案内されて飛行機を降りると「VIP」バスが待機しており、そのまま「VIP」ルームへ移動。お茶が出されて「手続きと荷物の回収をするのでちょっと待っててね。」とのアナウンス。これは…!?

 宿泊先である曲陽県徳祥ビジネスホテルに到着。入口の電光掲示板には歓迎のメッセージが流れ、多くの方に迎えていただいたのですが、驚くべきはその道中。一般道では公安の皆さんが交差点や建物の出入り口に配備され、常に青信号で突き進むという流れ。その後も滞在中の移動で信号待ちになるということはないという凄すぎる待遇でした。

 そしてホテルも凄かった。ビジネスホテルと言いながらも日本のそれとは違う豪華さ。朝食のビュッフェでは私たちにあわせて日本食(寿司や刺身など)を用意してくださり、ホテル内の案内板もわざわざこのために日本語表記のものを付け加えてくださったそうで…。本当に至れり尽くせりでした。

 ホテルに到着後は、息つく間もなく公式行事に突入。スポット見学ということで、最初に訪れたのは「陳氏定窯」。定窯の歴史や年代ごとの作品、技法の紹介などを知ることができる施設で、7月に宝山窯にも来てくださった龐永輝(パン・ヨンギ)さんが、刻花のデモンストレーションもしてくださいました。

 そして、この遠征の随所で登場する「嬰児枕(通訳さんが訳すところの”坊や枕”)」。訪問直後はどうしてこれが至るところで登場するのか、よく分かっていませんでしたが…。実物は台湾の故宮博物院に展示されており、2019年に国宝に認定された名品の一つです。気になる方は是非調べてみてください!

 続いて、「陳文増定窯芸術館」を見学。窯跡から出土した遺物や史料が多く展示されており、定窯の歴史を知るにはうってつけの施設でした。また、別室には公募展の作品も並べられ、中国現代陶芸の作家の皆さんがどのような作品を制作されているのかを知る機会にもなりました。もう少しゆっくり見たかった~。

 ホテルに戻っての歓迎パーティー。中国式の乾杯してグイッと呑み干すやつをやり抜いたお陰もあって、関係者の皆さんとも仲良くなれ、いろいろなお話をすることができました。通訳の方も付いていてくれたのは実に心強かったです。写真は、山東芸術学院デザイン学院院長の遠宏さんと。中国美術家協会陶磁芸術委員会の秘書長も務められている方です。学校で備前焼レクチャーをさせてくれと、話をしたとか、しないとか…。この日は、これをもって公式行事は終了。明日に備えることになりました。大移動からの一日。長かった~。

 そして、翌23日(水)、いよいよメインイベントの会場へ。足取り軽やかに日本メンバーが乗り込みます!

 〈Day2〉へ続く。



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