2023/12/16 13:38


 毎年ゴールデンウィークに登り窯の公開窯焚きを行い、節目となる10年目を迎えた本年は、秋シーズン“初”の窯焚きをすることとなりました。当初の計画通りに火を入れられるようにと気合と根性で奮起し、10月31日(火)に火入れ。11月7日(火)までの8日間の日程で窯焚きを行いました。


 毎回何かが起こる宝山窯の窯焚きですが、今回の異常事態は、何といっても「密着取材」。台湾からやってきた撮影チームが、備前焼まつりに始まるタイトなスケジュールで、作品制作、窯詰め、窯焚き、窯出しとみっちり取材をしていきました。


 ドキュメンタリーと聞かされながらも煌々と照らされる窯場。「いやいや、普段はこんな照明なんてねーし。」と思うも、窯焚きは進み…。結果的には監督のリクエストにもしっかりと応えながら薪をくべていきました。これは果たしてドキュメンタリーなのか…。


 お手伝いに来てくれたメンバーも、窯の前でインタビュー。よく分からんままに進んでいったようです…。とはいえ、窯の温度は順調に上昇。宝山窯の窯焚きはこの程度では微動だにしないのです。


 台湾撮影チームの無茶ぶりにも応えながら、今回の窯焚きを支えてくれたメンバーの皆さん。宝山窯での経験豊富なイナイさん、シノザキさん、サトウさんを中心に、備前陶芸センターより、ゴールデンウィークにもお手伝いいただいたタカハシさんと初参戦のマエダさんを加え、一丸となって窯に向かっていきました。 


 11月4日(土)には、急な思い付きで、作品制作や窯焚き、イベントや備前焼制作のワークショップなど、宝山窯のスタッフとしてお手伝いいただいた方々やそのご家族を招待し「ありがとうバーベキュー」を開催。参加できなかったメンバーもいましたが、また次回の窯焚きでも「ありがとう」を伝える何かを開催できればと思っています。


 登り窯の窯焚き恒例、余熱を使って作る「窯焚きイモ」も!窯焚きを手伝ってくれるメンバーだけでなく、海外から見学に来られ、薪くべにもチャレンジされた方にもプレゼントしたところ、大変喜んでくださいました。回を重ねるごとに安定感が増しています。


 11月6日(月)には、備前陶芸センターの研修生の方々を受け入れ、窯焚きの見学会も実施。年に数回しかない貴重な機会ですので、少しでも良い学びになったのであれば幸いです。


 そんなこんなで、今回も色々なことが巻き起こりましたが、メンバー一同、ケガやヤケドもなく、予定通り、11月7日(火)には無事窯焚きも終了。11回もこの登り窯を焚いていると、特性も分かって来て、温度のコントロールについては、ほぼ完ぺきにこなすことができました。


 そして、11月18日(土)は待ちに待った窯出し。台湾の撮影チームの取材に加え、もう一件の取材も重なったので、窯場もなかなかの慌ただしさでした。この時は、窯のフタを開けていくことをメインに作業を進め、作品の取り出しは後日のんびりと進めていくことになりました。


 嵐のような?取材攻勢が終わったところから、窯出し作業は着実に進んでいきます。注文品や陶芸体験の作品を優先的に進め、磨き、水洗い、水漏れ検査などの作業を進めていきました。


 そして次の嵐へ。11月29日(水)には、岡山市立開成小学校4年生のみなさんが、社会科見学に宝山窯へやって来てくれました。かなり前から連絡をいただいていたので、一部屋を開けずに温存。子どもたちと一緒にレンガを外していく作業をして、窯出しも「体験」してもらえるスペシャルな内容とさせていただきました。


 今回もただでは済まなかった、秋シーズン“初”の窯焚き。作品の手入れも順次完了し、ギャリーでも新作の展示を行っています。ECサイトでの新作登場はもう少し先になりますが、こちらも楽しみにしていただければと思います!

 次回は、来年のゴールデンウィーク。もちろん公開で窯焚きを行う予定ですので、その際には是非とも遊びに来てください!



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